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低脂肪牛乳の方が危険!?
子宮筋腫がある人は、牛乳をできるだけ避けたほうが良いようです。
しかも、ヘルシーに思える低脂肪牛乳だとしても、そのリスクは変わりません。
脂肪を摂り過ぎないために、低脂肪乳や無脂肪乳を選ぶという女性は多いですが、子宮関係の疾患にとっては無調整牛乳よりもリスクが高くなります。
これはハーバード公衆衛生大学院で行われた調査で明らかになった点ですが、低脂肪や無脂肪の乳製品を食べていた女性の方が排卵障害が起きやすく、結果的に不妊のリスクが高まるということです。
その原因は、牛乳から脱脂する際に牛乳の中のホルモンに偏りが出るということにあるようです。
つまり、脂肪分と親和性が高いのはエストロゲンやプロゲステロンです。脱脂することでこうした女性ホルモンが少なくなり、多く残るのはプロラクチンというホルモンや男性ホルモン、さらに男性ホルモンのテストステロンと結合するインスリン様成長因子といったものです。
これが、卵胞の成熟を妨げたり、正常な排卵を妨げると考えられます。
また、低脂肪牛乳を使ったラットの乳がん実験でも、エストロゲン増加による発症がみられています。
今度は低脂肪牛乳内の男性ホルモンが多すぎることが問題になってしまうのですね。
牛乳を避けるべき理由は3つ
そもそも、牛乳が子宮筋腫に良くないと言えるのはなぜなのでしょうか?
その理由は大きく分けると3つあります。
1.牛乳に含まれるホルモンの悪影響
一般に流通している牛乳は、成長ホルモンを与えられて乳の出を人工的に良くした牛のミルクです。「成長ホルモン」というのは、いわゆる「環境ホルモン」のひとつでもあります。
牛乳に含まれている可能性が大きい「環境ホルモン」は、擬似エストロゲン作用があるため、体内でエストロゲン過剰になると筋腫を成長させてしまうということが問題になります。
2.牛乳の脂肪による負担
牛乳には飽和脂肪酸が含まれていて、これは摂りすぎると肥満の原因になる動物性脂肪です。
飽和脂肪酸が体内に入ると、その分解のために肝臓が働いてくれますが、肝臓に負担がかかりすぎると過剰なエストロゲンを代謝することができず、体内でのホルモンバランスが崩れるということがわかっています。
また、エストロゲンは脂肪細胞で作られるので、やはり脂肪の摂取には制限を設けなければいけないということになります。
脂肪というと肉類からの摂取が大きいですが、次に多いのが乳・乳製品であると言われています。
3.乳製品にアレルギーがある場合
牛乳にアレルギー症状が出るケースが最近増えています。
その原因は様々あるので解消できるように対策していくことが必要ですが、現在アレルギー症状が出ている場合、気づかずに牛乳を飲み続けるとホルモンバランスが崩れてしまいます。
急性のアレルギーだと、すぐに下痢やじんましんなどが出るのでわかりやすいですが、慢性アレルギーまたは遅延型アレルギーの場合があります。
口にしてからずいぶんたってからおなかの調子を崩すとか、倦怠感やめまいなど、直接関係ないように思える症状が生じたりするため、牛乳が原因であることに気づきにくいのです。
アレルギーの原因物質に対抗するために、副腎皮質からコルチゾールというホルモンが出ます。
このコルチゾールは元をたどるとプロゲステロンから作られます。
それで、体内でのプロゲステロン量が減ってしまい、エストロゲンの方が多い状態でバランスが崩れるということになります。
乳製品は嗜好品として楽しみましょう
日本では、健康促進のために牛乳を毎日飲みましょう!という雰囲気が昔からありますね。
ですが、現在の生産環境のせいもあって牛乳は必ずしも健康食品とは言えなくなっているのは確かです。
乳製品の摂取のしすぎは控え、あくまでも嗜好品として、時々少量を食べて楽しむ、というように方向転換する必要がありそうです。
もちろん、続木先生の「子宮筋腫改善講座」の中でも乳製品は原則として避けるように指導されていました。
美味しくて良質なものを少しだけ、ごほうびとして食べるというルールにしています。
牛乳のことは以前の記事でも取り上げたので、そちらもご覧くださいね。