植物性エストロゲンが子宮筋腫にいいのはなぜ?

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子宮筋腫を大きくするのは女性ホルモンのエストロゲンであることがわかっています。それなのに、植物性エストロゲンを摂取すると良いと言われるのはなぜでしょうか?

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まず植物性エストロゲンとは

植物性エストロゲンは「フィトエストロゲン」という呼び方をすることもあります。植物から発見された、エストロゲンと似た作用を持つ成分です。大豆から発見されたため、大豆イソフラボンが植物性エストロゲンの代表としてよく知られていますよね。

イソフラボン類はエンドウ科の豆類に特に多く含まれています。

また、イソフラボン以外の植物性エストロゲンとしては、リグナンという種類もあります。これは多くの野菜や果物に含まれています。

植物性エストロゲンのリグナンを含む野菜いろいろ

イソフラボンはよく耳にしますが、リグナンという植物性エストロゲンは聞き慣れないかもしれません。

どんな食品に多いのかというと・・・

  • 亜麻
  • ゴマ
  • ケール
  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • イチゴ

そのほかたくさんの野菜や果物に含まれていますが、目だって多いものだけ取り上げました。

(参考:http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010753234.pdf)

この中で断然リグナンが多いのは亜麻です。亜麻は亜麻仁油を絞るのに使われる植物です。あとはフラックスシードとしてお菓子に入れたりもしますね。

参考資料の中では、

リグナンの摂取は、ホルモンの濃度ならびに代謝への好影響、心臓血管疾患、骨粗しょう症、糖尿病、人造疾患に罹る危険度の低下に関係することが示唆されている。

またリグナンの摂取は、乳がんだけでなく、子宮頸がん、卵巣がん、甲状腺ガンの発症と逆相関の関係にあるとされる。

と書かれています。

ということは・・・摂取したほうがいいということですね。(簡単に言いすぎ)

リグナンが体内に入ると、エンテロジオールやエンテロラクトンというホルモンに変化します。これがエストロゲンと似た力を持っています。

 

なぜ植物エストロゲンを摂るといいのか

植物エストロゲンは、体内で女性ホルモンと同じような作用をするのでそう呼ばれているわけです。ただし、エストロゲンというのは受容体と結びつかなければ作用できません。体内の女性ホルモンの受容体は数が限られていますので、天然の女性ホルモンといわば「席取りゲーム」が繰り広げられるわけです。

つまり、どうなるかというと・・・

 

もしも、自分のエストロゲンの分泌が不足している場合、空いている席に植物エストロゲンが座ってくれると不足を補ってくれることになります。

lst_a02_25_25_pkエストロゲンが少ないために起きる更年期障害のようなトラブルに効果的。

 

反対に、エストロゲン過剰の場合、先に植物エストロゲンが席を奪ってしまうことで多すぎる天然エストロゲンが排出されるのを促すということになります。つまり、本物のエストロゲンが受容体に結合するのを邪魔するということです。しかも後述しますが植物エストロゲンのエストロゲンとしてのパワーは弱いので・・・
lst_a02_25_25_pkエストロゲンが過剰なせいで起きる乳がんや子宮筋腫などのトラブルにも効果的。

 

相反する両方のトラブルに効果があるとは、不思議ですね。

 

植物エストロゲンを摂り過ぎると危険じゃないの?

でも、エストロゲンが子宮筋腫を大きくしてしまうなら、植物性のエストロゲンであっても摂り過ぎてはいけないのではないでしょうか?

実際に、月経周期が整っている健康な女性が一日45mg以上のイソフラボンを摂ることで、月経周期が変わったという実験報告もありました。(こちらの記事でも触れています)

しかし、ホルモンバランスの乱れが原因で生理不順の女性が植物エストロゲンを摂ることによって、順調になったという実例も多く耳にします。

ということは、どれだけの植物エストロゲンを摂取すればよいのか、というのは人それぞれなので一律に決められないということになりますね。

ですが、植物エストロゲンは受容体との結合が弱く、外れやすいということが分かっています。つまり、排出されやすいということ。それに植物エストロゲンがエストロゲンとして及ぼす作用のパワーも弱く、他と比べると100分の1以下になります。それで本当の意味で「摂り過ぎ」になる危険は少ないと考えて良いでしょう。

ところが環境ホルモンはそうは行きません。

植物ホルモンの摂り過ぎ以上に怖いのが、環境ホルモンの摂取!

環境ホルモンは「有害エストロゲン」とも呼ばれます。体内で受容体に強力に結合してしまい、細胞に指令を出し続けます。これが異常増殖(腫瘍)や細胞のガン化、ホルモンバランスの乱れを招くと考えられています。

これは「内分泌かく乱物質」とも表現され、研究が進められています。「環境ホルモン」もその中に含まれ、「擬似エストロゲン」「人工内分泌かく乱物質」と呼ばれることがあります。(植物由来のものを「天然」環境ホルモンと呼ぶ学者さんもいます。)(参考:植物由来の天然「環境ホルモン」について

環境ホルモンはプラ製品を燃やすと出るダイオキシンが有名ですが、除草剤や殺虫剤、タールやタバコ、界面活性剤などに様々な種類のものが含まれていますし、合成女性ホルモンも該当します。生活のあらゆる場所にあるので、知らないうちに体内に蓄積されていくというのが怖いです。

この悪影響を防ぐのが植物エストロゲンです。

空いている受容体が先に植物エストロゲンで埋まってしまえば、有害エストロゲンが体内に入ったとしても作用できません。つまりイソフラボンやリグナンをこまめに摂取していることで、有害エストロゲンの悪影響から身を守れるということになります。

 

植物エストロゲンの作用まとめ

 

赤チェックイソフラボンだけでなくリグナンも摂ると良い

赤チェックエストロゲンとしての力は弱いので心配しすぎなくてよい

赤チェック過剰なエストロゲンの代わりに植物エストロゲンが受容体に結びつくことで、余分なエストロゲンの排出を促す

赤チェック有害エストロゲン(環境ホルモン)が受容体に結びつくのを妨害してくれる

 

 

ちょっとややこしい話でしたが、結論として、子宮筋腫持ちの人も植物エストロゲンは意識的に摂るほうが良いということがわかりました。

ただし、イソフラボンが良いからと言って、例えば「豆乳を毎日大量に飲もう!」というのはおすすめできません。一つの食品に偏らず、いろいろな食品から植物エストロゲンを摂ることでリスクも減らせると思います。

個人的には・・・

今私が気になっているのはブロッコリーとゴマ。どちらもリグナンの多い食品だということがわかったので、摂取量を増やしたいです。

それから、サプリメントで摂る女性ホルモンの安全性に疑問が沸きました。さらに言えば、「女性らしさと美容のためにエストロゲンを増やそう!」という宣伝には注意しなくてはと感じましたね。他のホルモンとのバランスを考えずに、エストロゲンのみ大量補給するのは危険です。この点は改めて記事にしたいと思っています。

 

ホルモンバランスを整えるための食事づくりとは?続木和子さんの子宮筋腫改善講座が役立ちます!
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「続木和子の14日間集中!子宮筋腫改善講座」ってどんなところがいいですか?私のレビューと感想

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