子宮筋腫を悪化させるものは冷えであるということはよく知られていますね。
じゃあ、いつもカイロをお腹に貼っていればいいんじゃないの?と安易に考えてしまいますが、それっていいこと?
注意点が幾つかあります。
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子宮温めのためにカイロを使うのはおすすめできません
カイロの温度は高すぎる
一般的な貼るカイロの平均温度は45度から50度で、最高温度は60度以上です。
自宅にあったカイロのパッケージを見てみますと、「最高温度63度、平均温度53度、40度以上の持続時間12時間」となっています。
寒い日の屋外などでは重宝するカイロですが、室温が高いときや、暖房器具のそばで使用するとこの最高温度を超えることもあります。
これは、冷えとりの目的で使用するには高すぎる温度です。
体の芯から温め、冷えをとる温度は40度以下です。ちょうど半身浴の温度ですね。
ですが、カイロの温度で温めようとすると高温となり、体表に血液が集まってくるために温かく感じますが、内臓の血行不良状態が解消されないことになります。子宮を温めたいのに、これではほとんど意味がありません。
低温やけどは意外にすぐ起こる
カイロの熱はとても気持ちが良く、長時間温かさが持ちます。特に貼るカイロは便利ですよね。
ところが、いつも同じところに貼っていると低温やけどの危険がでてきます。
もちろん誰でも使用するときには衣類の上から貼るはずですが、薄手のシャツ2,3枚重ねた上から貼ったとしても火傷になる可能性があるのです。
前述の通り、ごく一般的な貼るカイロの平均温度は40度から50度です。最高温度は60度以上になります。
衣類の上から貼るので体感的には1,2度は下がりますが、シャツや下着の上にカイロを貼り、その上から上着を羽織った場合、一時的に下がったカイロの表面温度は短時間で戻り、熱い状態になります。
人間の肌は、50度以上のものに5分触れ続けると、低温火傷してしまいます。45度程度のものの場合、1時間から3時間程度で低温火傷の症状が出ます。40度程度でも、10時間近く肌に触れていると低温火傷が生じることがわかっています。
ほとんどのカイロの熱の持続時間は10時間以上ですので、いつでもこの危険を意識していなくてはなりませんね。
むずむず痒くなってきたら要注意。ごく軽度の火傷が起きています。皮膚は赤く熱を持った状態。この時点ですぐにカイロの位置を変えれば悪化せずに数日で治ってしまいます。
気温・室温が低すぎて熱さを感じないときも要注意。また眠っているときも同様です。この場合、長時間カイロを貼りっぱなしになり、気がつかないうちに皮膚の深部まで火傷を負うことがあります。この際には皮膚は水ぶくれが生じ、白っぽく見えます。
子宮のある下腹部は特に危険
下腹部の皮膚は柔らかく、敏感な部分です。他の部分に比べて火傷の害も受けやすくなります。ですから子宮を温めたいからと言って、直接お腹のあたりにカイロを貼ることはお勧めできません。
それでもカイロを使いたい場合の対策は?
それでも、やっぱり手軽なカイロ、外出が多い方などには便利なものですね。安全に、しかも効果的に使用するには?
一番大切なことは、カイロの温度を高くしすぎないこと!
そのために以下の点を心がけてみてください。
- 就寝時には使用しない
- コタツや暖房器具の近くにいるときには使用しない
- 保温性の高い衣類を着ているときの内側には使用しない
- 定期的にカイロの位置をずらす、またはいったん体から離す時間をとる
子宮温めにカイロを使うなら
お腹周りに使用するなら、貼るタイプではなく従来の袋タイプのカイロのほうが、密着度が低いため、高温になりにくく安全です。ポケットつき腹巻きなどを活用しましょう。そして15分おきにカイロの位置を移動することを意識してください。腹巻きごと少しずらすだけで可能です。
子宮を温めるには、おなか側からだけでなく背中側からの温めも効果的です。子宮は膀胱と直腸に挟まれた真ん中にあるので、どちらから温めてもいいんです。
そこで、腰の下のほう、「仙骨」の辺りにカイロを当てることも心がけましょう。この辺りから温めると、骨盤内に温度が伝わるため、子宮の温め効果も期待できます。もちろんこの場合も、定期的に位置をずらすことを忘れずに。
時々はカイロを使うことがあるとしても、一番いいのは下半身の重ね着です。自分の体温を使って保温でき、高すぎる温度になることもないからです。一枚分厚いパンツを履くより、薄手のレギンスやタイツを重ねるほうが保温力は上がります。汗の湿り気でさらに冷えるということがないように、できれば天然素材のものを選びましょう。