できれば手術は回避したいものですが、きちんと知った上で選ばなくてはいけませんね。
今回はいろいろある子宮筋腫の手術のうち、開腹手術について説明します。
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開腹手術は全摘と核出の2パターンある
開腹手術というのは、文字通りお腹を切って行う手術です。
一昔前までは、子宮筋腫の手術というとこれしか選択肢はありませんでした。
開腹手術は、子宮を全部取ってしまう「子宮全摘出術(全摘)」と、筋腫だけを取り除く「筋腫核出術」とに分けられます。
全摘の場合に考えること
全摘のメリットは、再発がないことです。子宮を取ってしまっても卵巣は残すので、女性ホルモンの分泌はなくなりません(昔は卵巣ごと摘出する病院も多かったようですが)。ですから子宮がなくなったからといって男性ホルモンが優位になり女らしさがなくなってしまう、などという心配はありません。
しかし、妊娠はできなくなってしまいます。そのため、妊娠・出産を望む方はできるだけ他の方法で治療するしかありません。
もし妊娠を望まない場合でも、女性特有の臓器を取ってしまうということには感情的な拒否反応が少なからずあるはずです。メリットとデメリットを納得した上で決断したいですね。
筋腫だけ取り除けば良いとは限らない
一方、核出術の場合は子宮そのものは温存できますので、妊娠と出産を望む方はこちらを勧められるでしょう。筋腫だけを切り取るという方式です。
ただし、小さい筋腫がたくさんある場合や、巨大な筋腫であったり位置が難しい場合には、子宮を残すということができないこともあります。
さらに、手術で取りきれなかった小さな筋腫や、筋腫の元になる細胞が残ってしまうことがあるために数年後に再発するおそれがあります。
再発を防ぐために注意することについては、お医者さんからは特別何も言われないかもしれません。一般的な西洋医学では、子宮筋腫のできる原因は明らかになっていないからです。
しかし東洋医学の視点からすると、子宮筋腫ができやすい体質を変えることや、残った筋腫を再び手術が必要なほどに育ててしまわないよう健康管理するというのも大切になってくると思います。
食生活を変えて体質改善するための講座があります。私のレビュー記事はこちらです。
「続木和子の14日間集中!子宮筋腫改善講座」ってどんなところがいいですか?私のレビューと感想
開腹手術のメリット・デメリットとは
この方法の良いところは、開腹するとおなかの中がよく見えることです。他の臓器の様子や筋腫の様子でエコーなどでは映し出せなかった細かい点も、直にチェックでき、適切な治療ができます。
また、筋腫の大きさや位置の関係で他の手術方法を選べなかった場合にも、開腹手術で対応します。つまりは一番シンプルで確実な方法と言えますね。
ただしお腹を切るので、もちろん傷は痛いですし、手術後の体調回復までに少々時間がかかります。通常入院は1週間から10日ほどで、あとは自宅療養となるようです。本人の体力や回復の経過によりますが、元の日常の生活に戻る(職場復帰など)までには早い方でも約3週間程度必要になるかもしれません。
手術の傷跡が気になる・・・
また、傷痕が残ってしまうのも気にする方が多いのではないでしょうか。手術では縦に切る場合と横に切る場合とがあり、特別な手術の制約がない場合は本人の希望を優先してくれます。
縦に切ると・・・おへそから真っ直ぐ恥骨に向かって線が入ります。傷跡はやや目だってしまいますが、縦のほうが手術はやりやすく、血管や神経も必要以上に傷つける心配がありません。
横に切ると・・・子宮の真上あたりに横に線が入ります。おなかのシワにまぎれて(?)傷跡は意外と目立ちません。ただし、縦に切る場合よりも視野が狭くなるそうで、小さな筋腫の見落としなどが生じてしまう可能性もあります。さらに、縦に走る神経や血管を切断することになるので、出血が増えたり癒着のおそれも強くなることがあります。
開腹手術の費用は約20万円
手術の費用は国保の3割負担であれば20数万円の自己負担となります。詳細な金額は治療を受ける病院の設備等によって多少前後します。
さらに入院と検査にかかる費用は別途必要になります。
こういった出費をカバーするために、大抵は医療保険に入っているものですが、加入中の医療保険が下りるかどうかは手術決定前に確認しておきましょう。当てにしていたのに、手術後になって支払いがされないことがわかったとしたら困ってしまいますね。
例えば、保険加入時に既に子宮筋腫があるとの診断を受けていた場合には、支払いの適用外になります。また、加入から1年以内の診断があった場合には適用外、などの規定もあります。(2年、5年などの場合もあります)
このことを考えると、満期を迎えた保険を更新した場合も注意が必要です。一度契約が切れて再加入という扱いになるときは、以前からあった子宮筋腫を手術したら保険が下りなかった!という実例もあります。(発言小町:(子宮筋腫の手術で)保険が出ない)
いずれにしても、加入中の医療保険、生命保険の約款を見直してみたほうがいいですね。
まとめ
ということで、開腹手術で子宮筋腫を治療する場合には次の方法があります。
1.子宮全摘手術・・・妊娠を望まない場合に限るが確実な方法。
しかし気持ちの整理が必要な場合も。
2.筋腫核出手術・・・筋腫のみを取り除くので妊娠は可能。
しかし再発の可能性は否めない。
傷が残る、復帰までに時間がかかるということから子宮筋腫の開腹手術を嫌がる人が多いようですが、安全性や確実性という点では一番おすすめの手術です。
でもやっぱり切りたくない・・・
切らなくてはどうしようもなくなる前に、筋腫体質を改善しておくべき!!
私の一押しマニュアルのレビュー記事はこちらです。
「続木和子の14日間集中!子宮筋腫改善講座」ってどんなところがいいですか?私のレビューと感想